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前立腺炎について考えてみる (2010年8月20日)

泌尿器科医院を開業した時、ある後輩から、「開業したら、外来ばかりするんですよね。慢性前立腺炎の患者もいっぱいきますよね。それはかなわないですよね。」といわれたことがあります。「どうして?」と尋ねると、「前立腺炎ってこころの病気じゃないですか。話は長いし、よくならないし。」と。また別の意見としては前立腺炎は感染症だから、まず2週間は抗生剤を飲んでもらって、よくなるものはよくなるし、そうでないのはなにをやってもダメというものもあります。ひたすら前立腺マッサージをする医師、マッサージによって得られた検体にどんな菌がまじっているかを調べる医師もいます。

確かに感染による前立腺炎という病気もありますが、わたしの印象としては多くない、と思っています。証拠は?と尋ねられれば、大病院でみているより、かなり多い数の前立腺炎をみていて、最初に抗生剤を使わずに(前立腺マッサージもせずに)みていますが、6〜7割の人がよくなったといい、残りのひとのなかにも、症状がよくなって、2度目の受診がない、という例も相当数あると考えられるからです(他のことで再受診した時に尋ねてみたりした経験から)。

最近いろいろな腫瘍疾患について診療ガイドラインというものができていますが、前立腺炎についてはそれがありません。これはまだ疾患概念が十分にさだまっていないことと、治療法が確立されていないためと思われます。前立腺癌、前立腺肥大症などはガイドラインがあります。検索をかけると5000ぐらいのガイドラインがでてきますが。

一方でインターネットの上では前立腺炎に関するカリスマともいえる医師のサイトがいくつかみられます。彼らの意見には賛同できる部分も多いのですが、中にはあまりにも特殊な意見、治療法(他の泌尿器科医に受け入れがたいような)も見受けられます。インターネットの上でそれが主流となってしまうのはちょっと、という思いがあります。

私は勤務医生活も長く、大きな病院でも小さな病院でも仕事をしたことがあり、診療所から大学までいろいろなところで泌尿器科医として仕事をしてきました。前立腺炎は研究の専門とは離れていましたが、手術より外来が好きだった私としては、長い訴えに付き合い、処方を工夫するのも好きでした。これから少しずつ綴っていく内容は、画期的なものではありません。ただ、なかなかよくならない前立腺炎の方に多少なりとも参考になるのではとは思います。

診療の合間なのでまずは前文のみで失礼。

2010年5月30日 4周年を迎えて(開業日記の区切り)

6月に開業した当院はまもなく4周年を迎えます。日記などというものはいつも3日坊主で、1ヶ月と続いたことのない私が、細々ながらもこうして4年間続けてこられたのは、「仕事がひまで、かつなんとか集客しなくては」というあせりにかられてのものかな、と自己分析しています。ただ内容を振り返ってみて、内容に乏しく、文章も練れておらず少し恥ずかしくなってきました。

これからどうするか、なかなか難しいところではありますが、いろいろな泌尿器科の疾患(病気)について泌尿器科外来専門医としての考え方をすこしずつ書いていこうかと考えてきます。診療時間中に書くことが難しくなってきた今、できるかどうか少し心配ですが、こうやって宣言してみることが大切かもしれません。

さていよいよ5年目のスタートです。月日のたつのは早いものです。そろそろ病院勤務医時代の5倍〜10倍のエネルギーを使って外来をしている成果を見せられるように、がんばりたいと思います。

2010年4月30日 日本泌尿器科学会(盛岡にて)

開業医をやっていると遠くの学会で勉強してくるのはなかなか難しいのですが、このたびは水曜日の半日休みの後が祝日でしたので、意を決して盛岡での学会に出席してきました。当院から空港までは1時間。中部国際空港からいわて花巻空港までは1時間ちょっと、そこからバスで40分と意外と近い?旅でしたが、高速バスからみる岩手の風景は、遠くの山々は青く、美しく、近くには桜が満開でした。ごく近くのバイパスの沿線にはみなれたお店の看板(電気屋さん、スーツ屋さん、レストラン、などなど)がたちならび、こちらは日本全国同じ光景でした。

さて、移動時間込みでわずか1日半の学会出席でしたので、勉強してきた時間は半日ほどでしたが、アイスアリーナ(巨大なスケート場)で行われた懇親会は大変立派なものでした。牛の丸焼きというのも始めてみましたが、私としては片隅で焼いていた地鶏のおいしさが印象的でした。

機器展示ではロボット手術の機械が目を引きました。すばらしい機械ですが、値段は3億円、変えない病院は大変だな、と思います。3Dの内視鏡なども展示されており、進歩している分野は次々と変わっていっているようです。

今回は休診をせずに行かせていただきましたが、もう少しゆっくり勉強して来たいな、と思いました。来年以降(もしチャンスがありましたら)皆様のご理解をよろしくお願いします。

 

2010年4月19日 同門会

週末に岡山での同門会に出席してきました。医局の人事を離れたとはいえ、いえ離れたからこそ母校、同門の発展はこころのよりどころであり、誇りです。研究に臨牀に、さまざまな分野で活躍がみられるのですが、新入医局員の数がひところに比べるとやや少なめなのが気になります。ひところの夜中に呼び出されたりしんどくない科への志向や国策としての婦人科、小児科へのてこ入れなどの影響があるのかも知れません。いまさら母校のためにできることもさほどはないのですが、卒業生が「泌尿器科も進路として考えてはいるが、泌尿器科では開業が難しいのではないか?」という疑問を持った時に、当院が反証となれるぐらいに(今はまだ無理ですが)いつかはなりたいものだ、と思います。

2010年4月7日 友人の新規開業

昨日は近隣の小学校で入学式が行われていました。寒い日が続いていましたが、昨日はとてもいい天気で、寒さでよくもっていた桜がきれいに映えていました。4年前のいまごろ開業準備に追われていたころ、はたしてうまくいくのだろうかと不安のなかで走り回っていたのを思い出します。たくさんの業者にかかわってもらいながら、本当にこのひとたちを信用してよいのだろうかと不安でもありましたが、振り返ってみるとお付き合いした方々のほとんどが、自らの利益もさることながら、顧客である私と当院のことを本当に考えてくれていたのだな、と思います。いまさらながら感謝は尽きません。先日岡山の後輩から岡山の郊外で開業するとの知らせをいただきました。透析も導入するとのこと、透析が近くで受けられることは腎臓の悪い方々にはいいことなのですが、設備、人員、スペースなどが必要となり初期投資も大変です。早くまわりの信頼を得て順調に立ち上がることを祈りたいと思います。がんばってください。