昨年末にオバマ大統領の演説集をアマゾンで購入して、息子たちと聞いていますが、本当にことばというのは使い方によってはなんと人の心をうつのだろうと感心します。朗々とした声でリズミカルに、時には強弱を、まるで音楽のように心地よく、先日の大統領就任演説でも多くの人の熱狂の中本当にすばらしい演説でした。たまに人の前でしゃべると、どもってしまい、言いたいことの半分も言えない人間としてはうらやましい限りです。ただこれは天性のものもあるのでしょうが、彼が政治家として身につけた技術であり、敬意を払うべきものなのでしょう。
一方で、まるで宗教のようでもあり、だまされてはいけない、全てを信じてはいけないという声も聞こえてきます。一見うそっぽくはないですし、本当に誠実そうにみえるのですが、何かをいうたびに「ウォー」という叫びと拍手に包まれる演説の場というのはやはり異常です。暴走まではせずにほどよく世界を引っ張っていってくれればいいのですが、うまくいくのでしょうか。
演説の内容には大変すばらしい言葉が含まれています。「重大な決断を先延ばしにすべきでない」「新しい責任の時代」など日本の政治家にも聞いてもらいたいと同時に自分でもかみしめていきたいことばです。次の世代に莫大な借金だけが残らないように真剣に考える時なのかも知れません。しばらくの間は大統領就任演説を聞きながら自転車をこいでいこうかな、と思います。